「寄付より、ローンのほうが人の尊厳を守れる」
そんな言葉を読んだのは、ロルフ・ドベリの『Think Clearly』という本の中でした。
「援助する」のではなく「信じて託す」こと。
それが、Kiva(キバ)というマイクロファイナンスプラットフォームの紹介と共に語られていて、わたしの中で何かが灯ったのを覚えています。
「お金を貸すことで人を支える」という発想は、当時のわたしにとってすごく新鮮で。
そこには、押しつけがましさも自己満足もなくて、ただ「信じる」という姿勢がありました。
Kivaってなに?
Kivaは、インターネットを通じて**少額のお金を世界中の人に“貸す”**ことができる非営利のプラットフォームです。
寄付ではありません。「無利子で貸す」という形をとることで、一度きりではない、自立につながる支援を可能にしています。
- 最低25ドル(約3,000円)から参加OK
- 貸し手は利子を受け取らない(純粋な社会貢献)
- 返済率はなんと96〜99%
- 世界80カ国以上の人々が支援対象
- 使途や返済状況はWEBで可視化されている
つまり、「お金を貸して、人生を変える(Make a loan, change a life)」というスローガンが、ただの言葉じゃない。仕組みそのものが誠実なんです。
わたしとKivaの小さなつながり
Kivaに登録したのは、ドベリの本読み終わる前でした。
余談ですが、ちょうどその直前くらいに、石原美奈子さんの『現代エチオピアの女たち』という本を読んでいて、
エチオピアの女性たちが直面する変化や格差、そしてそれに立ち向かう姿が強く心に残っていたのです「世界の誰かに、自分の小さな力を届けられる方法はないかな」と思っていたタイミングだったと思います。
サイトを開いて、最初に目に入ったのはエチオピアの女性が、小さな店を広げるために資金を募っている姿でした。
偶然かもしれない。でも、心が自然に動いたのは確かでした。 彼女の表情、背景に映る市場、そして「未来をつくりたい」という言葉。 共感というより、信頼したくなったんだとおもいます。
そんな気持ちを抱いたまま、そのまま登録して、25ドルを貸しました。
いや、貸したつもりになってました。
なんといきなり貸し付けではなく、Kiva自体に寄付してしまったんです
Kivaがやさしい仕組みである理由
「え?返ってこないの?」と、ちょっと悔しかった。
でもその出来事は、Kivaという仕組みをもっと深く知るきっかけになりました。
Kivaのすごいところは、「利子を取らない」「手数料も取らない」という点にあります。

- 貸し手は利子を受け取らない
- 借り手も利子を払わない
- 決済手数料はPayPalが無償提供
- Kivaの運営費はすべて任意の寄付で支えられている
つまり、25ドルを貸したら、その全額がそのまま借り手に届くのです。
Kiva自身が利益を得ていない、ただ**「信頼の橋渡し」をしているだけ**。
この透明さこそが、Kivaという仕組みのやさしさだと思います。
「この仕組みがあるから、誰かに届けられるお金があるんだ」と気づいたとき、
最初に間違って寄付したことさえも、自分ごとになる大切な一歩だったんだなと感じました。
わたしのKiva体験
その後、もう25ドルを追加して、合計50ドルをチャージ。
2人の方に25ドルずつ届けました。少しずつお金が返ってきて、また別の誰かに貸す。
追加でお金を出していないのに、何度も「いい気分」を味わえるのが不思議でした。
最近、GoogleアカウントからAppleログインに切り替えたので、新しいアカウントで再スタート。
今は1人目の方に支援をしたところです。
「次はどんな人にしようかな」と選ぶ時間には、少し傲慢さもあるのかもしれません。
でもその行為は、まるで小さな旅のようでもあります。
同じお金が、別の人生に届く。
そんなやさしさの循環に、自分が少しでも加わっている感覚は、思っていた以上に温かいものでした。
Kivaのインパクトが見えるページ
そして何よりも信頼できるのは、Kivaが自らその「結果」をしっかりと見せているということ。
Kiva公式の紹介ページでは、支援された国・人数・返済額・職業別データなどが詳しく掲載されています。
- 累計融資額:20億ドル以上
- 支援を受けた人の数:500万人以上
- 平均返済率:96.4%
- 貸し手の国:世界中、200以上の国と地域
数字だけでなく、「どんな人が、何に挑戦して、どんな変化があったか」
――そのストーリーが写真とともに紹介されています。
まるで、世界中の「となりの光」がそこに集まっているような、そんなページです。
自分にできる支援のかたち
わたしにとってKivaは、「寄付をするほど余裕はないけど、何かしたい」という気持ちにちょうどいい答えをくれた存在でした。
小さなお金でもいい。
自分が信じた誰かに、未来を託すという選択肢。
それが社会の中に存在していること自体が、もうひとつの「光」だと思います。
興味を持った方へ
Kivaはすべて英語サイトですが、操作はかんたんで、機械翻訳でも十分に理解できます。
日本人コミュニティ「Team Japan」も存在していて、体験談をブログで発信している方もいます。
まずは、Kivaのサイトを覗いてみてください👀
「となりの誰かに、そっと手を差し出す」
そんなやさしさを、自分のペースで育てられる仕組みが、ここにはあります。



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